土木用語「し」
■支承(ししょう)
上部工の死荷重や活荷重、風荷重および地震時慣性力などを確実に下部工に伝達する機能と上部工・下部工間の変位、たわみ、振動および伸縮に 追随して無理な応力を解消する機能を持つ構造として、上部工と下部工の接点に設けられる部材である。 この二つの機能以外に、上部工の下部工から浮き上がり防止と上部工の橋軸直角方向へのずれ止め機能も併せ持っている。
構成している主要材料で分類すると、主に鉄鋼材料で構成されている鋼製支承と、ゴム材料で構成されているゴム支承に分けられる。
平成7年に発生した兵庫県南部地震以降、鋼製支承からゴム支承へ急激な転換が図られた。これは、鋼製支承は、地震に対してじん性に乏しく、ぜい性的に破壊していたのに対し、 ゴム支承は、ゴムの弾性によって大きな変形性能を持っていることから、弾性支持による地震時衝撃力の緩和やひずみ硬化域での移動制限装置としての機能が評価され、耐震上 有利とされたことが理由である。
■シース
ポストテンション方式のプレストレストコンクリート部材において,緊張材を収容するため,あらかじめコンクリート中にあけておく穴を形成するための筒
■支保工(しほこう)
コンクリート、型枠、作業に伴う荷重などを確実に基礎に伝え、型枠の変形や沈下を防ぐ目的の支持部材。
■じん性
物質の粘り強さを表す技術用語
■震度
地震動の強さの程度を表す指標として震度が使われる場合が多い。震度には各種の求め方があるが、日本では、一般に気象庁震度階級が用いられている。
従来の震度5および6では実際に出現する被害状況の幅が大きすぎ、
適切な防災対策に十分な内容でないと判断されたため、平成8年からは震度5と6を弱と強の2階級に分割し、現在では震度0,1,2,3,4,5弱,5強,6弱,6強,7の10段階に分類することになった。
■伸縮装置
伸縮装置とは橋梁の路面端部に設置されるもので、けたの温度変化、コンクリートのクリープ及び乾燥収縮、活荷重等による橋の変形が生じた場合にも、 車両や人が支障なく通行できる路面の平たん性を確保するものである。