「セメント」の種類(記号)と用途

主なセメントの特徴と用途(例)

セメントの名称記号特徴主な用途
普通ポルトランドセメントN一般的な性質のセメント土木・建築工事およびコンクリート製品用として最も多く使用されている。
・プレテンションスラブ桁の中埋部
・非合成桁床版
・RCのスラブ桁、ホロー桁
早強ポルトランドセメントH・C2Sが少なくC3Sが多い。
・早期に高い強度が得られ長期にわたって強度増進を示す。
プレストレストコンクリート、寒中コンクリート、工期短縮を要する工事、工場製品などに用いられている。
・ポストテンション桁の主桁
・ポストテンションブロック桁
・場所打ポステン桁
・プレテンション桁橋桁ポストテンシ ョン桁の各床版、横桁
超早強ポルトランドセメントUH・C3Sが多く粉末度が細かい。
・Hセメントの3日強度を1日で発現する。
緊急工事、寒中工事、グラウト用などに用いられている。
中庸熱ポルトランドセメントM・C3S、C3Aが少なくC2Sが多い。
・初期強度は小さいが長期強度は大きく水和熱が低い。
ダムなどのマスコンクリート、建築用の高強度コンクリートに使用されている。
低熱ポルトランドセメントL・Mセメントより更にC2Sが多い。
・Mセメントよりも水和熱が低く初期強度は小さいが長期強度は大きい。
ダムなどのマスコンクリートのほか、高強度コンクリート、高流動コンクリートに使用されている。
耐硫酸塩ポルトランドセメントSR・C3Aが少なく硫酸塩との反応が少ない。
・多くが中近東方面に輸出されている。
硫酸塩を含む土壌地帯での工事に適している。
高炉セメントB・潜在水硬性を有する高炉スラグを混和したセメント。
・初期強度は小さいが長期強度は大きい。
・高炉スラグを多量に混和すると水和熱の減少、化学抵抗性、耐熱性、水密性に優れアルカリシリカ反応抑制効果がある。
ダム、河川、港湾工事などの土木工事および一般コンクリート工事に広く使用されている。
・橋台、橋脚(鉄筋構造物)
・場所打杭(リバース、ベノト、アースドリル)
・深礎杭
・擁壁(鉄筋構造物)
・函渠、共同溝
・地覆、壁高欄
・樋門、樋管、サイホン
・トンネル、アーチカルバート等の吹上施工部(但し鉄筋構造物)
・その他鉄筋構造物
フライアッシュセメントF・ポゾラン反応性を有するフライアッシュ(FA)を混和したセメントである。
・良質なFAは球形であるため単位水量が減少し長期強度の発現が期待できる。
・乾燥収縮は小さく水和熱も低い。
アルカリシリカ反応抑制効果がある。
ダムなどのマスコンクリートに使用されている。
シリカセメントS純度の高いけい石などの粉末を混和セメント。オートクレーブ養生を行うコンクリート製品に使用されている。
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